喘息の症状と原因、楽になる方法を解説
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咳が止まらず苦しさが続く喘息。
喘息を引き起こす原因はさまざまあり、治療ではそれらに対して1つひとつ対処していくことになりますが、発作が起きたときは即応が必要になります。
そこで、すぐに医療機関にかかることができないときに、その場で実施できる楽になる方法を紹介します。
ただ、原因を取り除かないと根本的な解決にはならないので、この記事では喘息の症状と原因も解説します。
なお本稿では大人の喘息について説明していて、小児喘息については触れておりません。
原因~気道の炎症を引き起こすもの
喘息の原因については、2段階で考える必要があります。
喘息の直接の原因(第1段階)は気道の炎症ですが、それを引き起こす原因(第2段階)はさまざまあります。
喘息 | |
第1段階の原因 | 気道の炎症 |
第2段階の原因 | さまざま |
気道とは、気道の炎症とは
気道とは呼吸した空気(呼気と吸気)が通る管のことで、鼻・口と肺を結ぶ部分になります。
気道の内側の表面は粘膜になっていて非常に繊細な組織です。そのため小さな刺激でも炎症が起きてしまうことがあります。
炎症が起きると敏感になり、些細なことでもすぐに反応してしまい、それが咳などを引き起こします。
また炎症が起きると浮腫み(むくみ)が生じて体積が増えてしまうので気道の内径が狭まってしまい、空気がとおりにくくなってしまいます。
さらに気道の外側を覆うように存在する筋肉が収縮することで気道が狭くなることもあります。
風邪、有害物質、運動でも起きる
気道の炎症を起こすものに、風邪、有害物質、運動などがあります。これらが原因(アレルゲン)となって炎症というアレルギー反応を引き起こします。
有害物質にはタバコや大気汚染、ダニ、ペットの毛が含まれます。
喘息を引き起こしている気道には免疫に関わる白血球やリンパ球が集まっているため、アレルゲンが発生すると免疫反応が起きてしまい、それが咳などの不快な症状になります。
実は咳は、体内の有害物質を体外に吐き出す動作なので、本来は「よいこと」です。そしてもちろん免疫反応も本来は「よいこと」です。
しかし免疫反応も咳も、長く激しく続くことで自分自身を苦しめることになります。
喘息の症状
喘息の主な症状な長く続く咳や発作的な咳ですが、そのほかにも痰、息苦しさ、息切れ、喘鳴(ぜいめい)、胸の苦しさがあります。喘鳴とは呼吸をするたびにゼーゼー、ヒューヒューなる症状のことです。
また重症患者さんになると、発作が起きたときに動けなくなることもあります。
■喘息の症状
・長く続く咳、発作的に起こる咳
・痰
・息苦しさ、息切れ
・喘鳴
・胸の苦しさ
・動けなくなることも
楽になる方法その1~治療が間に合わない場合
喘息の治療法についてはのちほど紹介します。
ここでは、喘息が起きたときに応急処置的に楽になる方法を紹介します。
発作が起きたら以下で紹介する方法を試して症状を和らげつつ、すみやかに医療機関にかかるようにしましょう。
仕事を中断して休み、薬を飲む
もし仕事などの作業をしているときに喘息が起きたら、すぐに休んでください。作業をやめるだけでも発作が軽減されることがあります。
すでにクリニックにかかっていて薬が処方されているのであれば、それを服用してください。
楽な姿勢を取る
休むときの姿勢は大切です。横になる場所があったら遠慮なく寝てください。そして仰向けになったり横を向いたりしてより「まし」になる姿勢を探しましょう。
横になれないときは椅子に座ります。このときも膝を抱えるように前屈みになったり、逆に背もたれに体を預けて反ったりして、楽な姿勢を探してください。
常温以上の水分補給
薬が手元にない場合は、水分補給をしてください。その際、冷たい飲み物は気道を刺激して逆効果になるので、常温以上の暖かい飲み物を飲みましょう。
腹式呼吸する~お腹を使って息をする
休んで水分補給しながら、腹式呼吸で息をしてください。腹式呼吸とは、お腹を膨らませたりへこませたりして行う呼吸法です。口を閉じて鼻呼吸も心がけてください。
楽になる方法その2~普段の生活で気をつけたいこと
普段の生活を工夫することで喘息の発生頻度を低下させることもできます。次のような行動を取るようにしてみてください。
・からいものなど、刺激が強いものは食べない
・喉を温める
・常温以上の飲み物で頻繁に水分補給をする
・寝るときに上半身を上げ気味にする
・うがいを習慣づける
・寝室を清潔にする
そのほかにも、エアコンのフィルターを小まめに掃除したり、ペットを飼わないようにしたりすることも有効になることがあります。
医療機関での治療
喘息の症状を最も効率的に改善する方法はやはり医療機関にかかることです。
主な治療法は薬物療法になり、長期管理薬と発作治療薬があります。
長期管理薬について
長期管理薬は喘息の症状をコントロールすることで普段の生活の支障をなくしたり減らしたりする薬です。
長期管理薬には吸入薬、飲み薬、貼り薬、注射薬があり、重症度や状態に応じて変えていきます。主な薬品名は以下のとおり。
・吸入薬:ステロイド薬、β2刺激薬、抗コリン薬など
・飲み薬、または貼り薬:β2刺激薬
・飲み薬:ロイコトリエン受容体拮抗薬、テオフィリン薬など
・注射薬:生物学的製剤
発作治療薬について
長期管理薬で喘息をコントロールできるようになっても、突如発作的に激しい症状に襲われることがあります。そのときに使うのが発作治療薬です。
吸入薬が一般的ですが、それでも収まらない場合は急遽医療機関にかかって点滴薬を使うこともあります。
まとめ~より「まし」を目指してコントロールを
この記事の内容を箇条書きでまとめます。
・喘息は、アレルギー物質などがアレルギー反応を引き起こして気道に炎症を起こして発生する
・喘息が起きたら、とにかく休んで(あれば)薬を飲む
・薬がなければ横になるなど楽な姿勢を取り、常温以上の水分を補給する
・腹式呼吸でも楽になることがある
・喘息の治療薬には長期管理薬と発作治療薬がある
喘息は苦しい症状ですが、治療や楽になる方法で、症状を軽くできたり、より「まし」な状態に改善させたりすることができます。
医師と二人三脚で治療、またはコントロールしていきましょう。
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