脳の状態がわかるBrainSuiteをご存知ですか~MRI画像をAIで解析する、東北大発の検査
INDEX
東北大学加齢医学研究所が開発したBrainSuiteは、脳内をMRIで撮影してAI(人工知能)で解析する、脳の健康状態をみる検査です。
ヒロオカクリニックでも脳ドックの検査のひとつとして提供しています。
脳の状態を知ることによって脳の健康維持に役立てることができます。
MRIで海馬の体積を測定する
BrainSuiteではMRIで脳の海馬という部分の体積を測定します。海馬は日常の出来事や学習した内容を整理する役割を担い、整理された情報は大脳皮質という部分に蓄積されます。新しい記憶は海馬にあり、古い記憶は大脳皮質にあることになります。
海馬の体積を測るとなぜ脳の健康状態がわかるのか解説します。
海馬とは
普段、脳のことを意識して生活することは少ないかもしれませんが、海馬のことは案外簡単に意識することができます。例えば「最近、集中力が落ちていると感じる」「知っている人の名前が出てこない」「うっかりミスが増えた」といった現象は、海馬に異変が起きている兆候かもしれません。
海馬は記憶のほかに認知機能にも関わっています。海馬が萎縮すると(縮むと)認知機能が低下して、集中力が欠如したり、名前を忘れたり、ミスが増えたりするわけです。
海馬は認知機能の低下の兆候が早く現れる
東北大学加齢医学研究所が海馬に着目したのは、認知機能の兆候がここにいち早く現れるからです。
「海馬が萎縮すると記憶力や認知機能が低下する」ことや、「記憶力や認知機能が低下している人の海馬が萎縮している」ことがわかったので、海馬の体積を測定することにしました。
縮むといってもすごく小さくなるわけではない
海馬が萎縮するといっても、人の目でみて明らかに小さくなるほど縮むわけではありません。しかも海馬の大きさは小指ほどしかないので、萎縮の様子を視認することはさらに困難になります。そのため医師でも、MRIで海馬を撮影しても海馬の萎縮に気づくことができないことがあります。
したがって、記憶力や認知機能の低下と海馬の萎縮を関連づけることは容易なことではありませんでした。
MRIは磁気で撮影する
MRIは磁気などを使って、体外から体内の様子を撮影する機器です。MRIは大きなドーナツ型をしていて、受診者がそのなかに入って撮影します。したがってMRIで海馬の姿を撮影することができるのです。
しかし海馬をMRIで撮影しただけでは萎縮しているかどうかわからないことがあります。そこでBrainSuiteはAIを使って海馬の体積を測定することにしました。
受診者の海馬と健康な海馬を比較する
BrainSuiteのAIは、受診者の海馬と健康な脳を比較することで脳の健康状態を評価します。
BrainSuiteを開発した東北大学加齢医学研究所は8年間にわたって脳の画像を集めそれをデータベース化しました。そのデータベースのなかの健康な脳と受診者の海馬のMRI画像を比較することで異常の有無がわかります。
体積の推移を知ることができる
BrainSuiteの検査結果は、例えば「海馬体積7,350ミリ立方メートル」といったように出ます。ここまで細かい数値を出すことができるのはAIで解析しているからです。そしてここまで細かい数値を出すことができるので推移を知ることができます。
例えば1年に1回BrainSuiteを受けてそれを3回(3年)続けると体積の推移がわかるので、それにより海馬が萎縮しているのか、大きくなっているのかがわかります。
海馬の萎縮には睡眠不足や運動不足などが関わっているとされています。また生活習慣を改善することで海馬の体積が増えることがあることもわかっています。
それで海馬の体積の推移が生活習慣のよしあしの判断材料になります。
海馬の占有率を同性同世代と比較することができる
BrainSuiteでは、受診者自身の海馬の体積の推移以外に、平均との比較もできます。検査結果には、受診者の頭蓋内の海馬の占有率と、同性同世代の頭蓋内の海馬の占有率を比較した数値も出ます。
これにより受診者の海馬の頭蓋内占有率が、同性同世代より高いのか低いのかがわかります。
海馬の頭蓋内占有率が同性同世代より低い場合、生活習慣の悪化が推測され、高い場合はよい生活習慣を持っていると推測できます。
海馬の占有率の将来を予測する
BrainSuiteではさらに、受診者が今後10年にわたって生活習慣を改善した場合の海馬の頭蓋内占有率と、生活習慣を変えなかった場合の海馬の頭蓋内占占有率も算出します。
海馬は加齢によっても萎縮します。そのため受診者が改善した生活習慣で10年をすごし、このとき海馬の頭蓋内占有率が10年前と変わらなければ、加齢による萎縮を生活習慣の改善によって抑制できたことになります。
BrainSuite をヒロオカクリニックで受ける方法
BrainSuite をヒロオカクリニックで受ける方法を紹介します。
受診を希望する方は、ヒロオカクリニックに予約をします。その後、脳MRI検査を行います。検査場所は、ヒロオカクリニックと提携しているSeedsClinicになります。
海馬のMRI画像をBrainSuiteを運営している会社(株式会社CogSmart)に送りAIで解析して検査結果を出します。
検査結果はレポートの形で受診者に届きます。
まとめ~技術の進化で脳のことがよりわかるようになった
記事の内容を箇条書きでまとめます。
・BrainSuiteは東北大学加齢医学研究所が開発した脳の状態を知る検査
・脳内の海馬という部分をMRIで撮影してその体積を測定する
・海馬が萎縮すると記憶力や認知機能が低下することがわかっている
・生活習慣が悪化すると海馬が萎縮することがある
・BrainSuiteで海馬の萎縮や海馬の頭蓋内占有率がわかり、これにより生活習慣のよしあしが推測される
・解析にはAIを使っている
MRIとAIと脳画像データベースを組み合わせることで、より深く脳内のことがわかるようになりました。
関心のある方はお気軽にヒロオカクリニックにお問合せください。