行政機関の「がん検診」を活用しよう~新宿区の方法で解説

INDEX

 

厚生労働省は「2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなる時代。がん検診の受診率を50%以上にしよう!」と呼びかけています(*1)。

がんを早期に発見するために、または、がんがないことを確認するために、行政機関のがん検診を有効活用してください。

 

行政機関のがん検診の最大のメリットは、格安であることです。

それは、行政機関が費用補助をしているからです。

そして、がん検診はとても簡単です。

 

 

がん検診とは

 

がん検診とは、検査をすることで「がんの疑いあり」または「がんの疑いなし」のいずれかの結果を出す医療サービスです。がんの疑いがみつかれば、精密検査を受け、がんのある・なしを確定させます。

 

厚生労働省は「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」を策定し、そのなかで市区町村に対し、次の5種類のがん検診を行うよう示しています。

 

・胃がん健診:胃部X線検査または胃カメラ(胃内視鏡)

・子宮頸がん検診:視診と子宮頸部の細胞診と内診

・肺がん検診:胸部X線検査と喀痰細胞診

・乳がん検診:乳房X線検査(マンモグラフィ)

・大腸がん検診:便潜血検査

 

ほとんどの市区町村は、住民向けにこれらの検査を行っています。そして市区町村によっては、さらに検査を増やしているところもあります。

 

 

新宿区のがん検診

 

新宿区のがん検診は次のようになっています。

 

検診の種類 検診内容 対象者(新宿区民の方) 自己負担額
胃がん 胃内視鏡検査 50歳以上 (2年に1回) 2,000円
胃がん 胃部エックス線直接撮影 40歳以上 1,900円
大腸がん 便潜血検査 40歳以上 600円
肺がん 胸部X線直接撮影(2方向) 40歳以上 900円
肺がん 胸部X線直接撮影(2方向)+喀痰細胞診 50歳以上の喫煙指数の高い人 1,200円
子宮頸がん 頸部細胞診 20歳以上の偶数年齢の女性 900円
乳がん マンモグラフィ検査 40歳以上の偶数年齢の女性 800円
前立腺がん PSA(血液)検査 50歳以上の男性 200円

 

自己負担額は、最も高くても胃内視鏡(胃カメラ)検査の2,000円です。前立腺がん検診に至っては200円で受けることができます。

しかも、胃内視鏡検査、子宮頸がん検診、乳がん検診以外は、毎年受けることができます。

 

前立腺がん検査は、国の指針にない検査で、新宿区が住民の健康増進策を充実させるために独自に定めたものです。

 

肺がん検診のうち、「胸部X線直接撮影(2方向)+喀痰細胞診」の対象になるのは、50歳以上の喫煙指数が高い人です。喫煙指数の高い人の基準は、「1日の喫煙本数×喫煙年数=600以上」となります。

 

 

受診の流れ

 

新宿区のがん検診は、次のような手順で進みます。他の市区町村も大体これと同じです。

 

区から、希望するがん検診の「がん検診票」を取り寄せる

区と提携している医療機関のなかから、希望する医療機関を選ぶ

医療機関に受診予約をする

予約した日時に医療機関を訪れ、受診する

後日、医療機関に出向いて、結果説明を受ける

 

受診のときに医療機関に持参するのは、がん検診票、健康保険証です。

大腸がん検診と肺がん検診は、事前に医療機関から容器を受け取り、その容器に検体(大便または痰)を入れて、医療機関に持参します。

 

 

腫瘍マーカーを使ったがん検診について

 

市区町村のがん検診ではないのですが、腫瘍マーカーを使ったがん検診について紹介します。

腫瘍マーカーとは、がんが発生すると増加する物質のことです。特定の物質が大量に見つかると、「がんを発症しているかもしれない」とわかります。

腫瘍マーカーは血液中に現れるので、この検診は採血だけで終わります。あとは、検査機関が血液を分析します。

 

腫瘍マーカーは、がんの種類によって異なり、例えば次のようなものがあります。

 

・CEA

CEAはタンパク質の一種で、どの種類のがんが発生しても増えます。したがって、CEAが高くなったら、次はどこにがんが発生しているのかを調べることになります。

 

・CA19-9

CA19-9は、糖鎖抗原という物質で、膵臓がんの細胞が増えると大量につくられます。

したがってCA19-9は膵臓がんの腫瘍マーカーになりますが、それ以外にも、胆管がん、胆嚢がん、胃がん、大腸がんも疑われます。

 

・AFP

タンパク質のAFPは、肝臓がんの腫瘍マーカーです。

 

・PSA

PSAは前立腺特異抗原といい、前立腺がんの腫瘍マーカーです。

 

・SCC

SCCは扁平上皮癌関連抗原といい、これが増えると、子宮頸がん、頭頸部がん、食道がん、肺がんが疑われます。

 

 

まとめ~医療の進化を実感してください

 

がん検診が優れているのは、簡単に受けられることです。

胃内視鏡検査は口または鼻から管を通すので少し苦しいのですが、それ以外の検査は「X線撮影するだけ」「採血するだけ」「便を採取するだけ」などで終わります。

がんの検査の開発者は、いかに受診者様に楽に受けてもらうかを考えてきました。がんの検査の「簡単さ」「楽さ」は、医療の進化のたまものです。

がん検診を受けると「これで終わり?」と感じると思います。それで、がんの早期発見、または、がんがないことがわかるのです。

 

 

当院は新宿区・中野区の区民健診・がん検診の指定施設です。詳細はこちら

厚生労働省は「2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなる時代。がん検診の受診率を50%以上にしよう!」と呼びかけています(*1)。

がんを早期に発見するために、または、がんがないことを確認するために、行政機関のがん検診を有効活用してください。
行政機関のがん検診の最大のメリットは、格安であることです。
それは、行政機関が費用補助をしているからです。
そして、がん検診はとても簡単です。

がん検診とは

がん検診とは、検査をすることで「がんの疑いあり」または「がんの疑いなし」のいずれかの結果を出す医療サービスです。がんの疑いがみつかれば、精密検査を受け、がんのある・なしを確定させます。
厚生労働省は「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」を策定し、そのなかで市区町村に対し、次の5種類のがん検診を行うよう示しています。

・胃がん健診:胃部X線検査または胃カメラ(胃内視鏡)
・子宮頸がん検診:視診と子宮頸部の細胞診と内診
・肺がん検診:胸部X線検査と喀痰細胞診
・乳がん検診:乳房X線検査(マンモグラフィ)
・大腸がん検診:便潜血検査

ほとんどの市区町村は、住民向けにこれらの検査を行っています。そして市区町村によっては、さらに検査を増やしているところもあります。

新宿区のがん検診

新宿区のがん検診は次のようになっています。

検診の種類 検診内容 対象者(新宿区民の方) 自己負担額
胃がん 胃内視鏡検査 50歳以上 (2年に1回) 2,000円
胃がん 胃部エックス線直接撮影 40歳以上 1,900円
大腸がん 便潜血検査 40歳以上 600円
肺がん 胸部X線直接撮影(2方向) 40歳以上 900円
肺がん 胸部X線直接撮影(2方向)+喀痰細胞診 50歳以上の喫煙指数の高い人 1,200円
子宮頸がん 頸部細胞診 20歳以上の偶数年齢の女性 900円
乳がん マンモグラフィ検査 40歳以上の偶数年齢の女性 800円
前立腺がん PSA(血液)検査 50歳以上の男性 200円

自己負担額は、最も高くても胃内視鏡(胃カメラ)検査の2,000円です。前立腺がん検診に至っては200円で受けることができます。
しかも、胃内視鏡検査、子宮頸がん検診、乳がん検診以外は、毎年受けることができます。
前立腺がん検査は、国の指針にない検査で、新宿区が住民の健康増進策を充実させるために独自に定めたものです。
肺がん検診のうち、「胸部X線直接撮影(2方向)+喀痰細胞診」の対象になるのは、50歳以上の喫煙指数が高い人です。
喫煙指数の高い人の基準は、「1日の喫煙本数×喫煙年数=600以上」となります。

受診の流れ

新宿区のがん検診は、次のような手順で進みます。他の市区町村も大体これと同じです。

区から、希望するがん検診の「がん検診票」を取り寄せる

区と提携している医療機関のなかから、希望する医療機関を選ぶ

医療機関に受診予約をする

予約した日時に医療機関を訪れ、受診する

後日、医療機関に出向いて、結果説明を受ける

受診のときに医療機関に持参するのは、がん検診票、健康保険証です。
大腸がん検診と肺がん検診は、事前に医療機関から容器を受け取り、その容器に検体(大便または痰)を入れて、医療機関に持参します。

腫瘍マーカーを使ったがん検診について

市区町村のがん検診ではないのですが、腫瘍マーカーを使ったがん検診について紹介します。
腫瘍マーカーとは、がんが発生すると増加する物質のことです。特定の物質が大量に見つかると、「がんを発症しているかもしれない」とわかります。
腫瘍マーカーは血液中に現れるので、この検診は採血だけで終わります。あとは、検査機関が血液を分析します。
腫瘍マーカーは、がんの種類によって異なり、例えば次のようなものがあります。

・CEA
CEAはタンパク質の一種で、どの種類のがんが発生しても増えます。したがって、CEAが高くなったら、次はどこにがんが発生しているのかを調べることになります。

・CA19-9
CA19-9は、糖鎖抗原という物質で、膵臓がんの細胞が増えると大量につくられます。
したがってCA19-9は膵臓がんの腫瘍マーカーになりますが、それ以外にも、胆管がん、胆嚢がん、胃がん、大腸がんも疑われます。

・AFP
タンパク質のAFPは、肝臓がんの腫瘍マーカーです。

・PSA
PSAは前立腺特異抗原といい、前立腺がんの腫瘍マーカーです。

・SCC
SCCは扁平上皮癌関連抗原といい、これが増えると、子宮頸がん、頭頸部がん、食道がん、肺がんが疑われます。

まとめ~医療の進化を実感してください

がん検診が優れているのは、簡単に受けられることです。
胃内視鏡検査は口または鼻から管を通すので少し苦しいのですが、それ以外の検査は「X線撮影するだけ」「採血するだけ」「便を採取するだけ」などで終わります。
がんの検査の開発者は、いかに受診者様に楽に受けてもらうかを考えてきました。がんの検査の「簡単さ」「楽さ」は、医療の進化のたまものです。
がん検診を受けると「これで終わり?」と感じると思います。それで、がんの早期発見、または、がんがないことがわかるのです。

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