新型コロナウイルス感染症の初期症状を確実にとらえよう【自分と周囲の人のために】
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新型コロナウイルス感染拡大が始まってだいぶ月日が経ちました。そのため、自分も周囲の人も感染していないと、どこか他人事のように感じてしまっている人もいるかもしれません。
しかしそれでよいはずはなく、警戒を緩めることはできません。
新型コロナウイルス感染症の初期症状を、ご存知でしょうか。「熱が出て、味覚障害が起きる」くらいしか知らない方は、この記事で初期症状を詳しく紹介しますので、この機会にしっかり覚えておいてください。
コロナ感染症の初期症状をつかむことができると、すぐにPCR検査をすることができ、早期に対応ができるので健康被害を最小限にすることができますし、早期に隔離できるので感染拡大を食い止めることができます。
新型コロナウイルスの中等症・重症については、以下の記事をご覧ください。
関連記事:【コロナ情報】中等症と重症の症状について どれほど深刻か知っておいて
WHOが公開している症状
WHO(世界保健機関)はコロナ感染症の症状として、次のものを挙げています。(*1)
●最も一般的な症状
・発熱
・空咳
・倦怠感
●ときどきみられる症状、他の病気と混同されやすい症状
・味覚障害と嗅覚障害(味がしない、におわない)
・結膜炎(目の炎症)
・喉の痛み
・頭痛
・筋肉痛や関節炎
・皮膚の発疹
・吐き気、嘔吐
・下痢
・悪寒
・めまい
そして、重度の症状とまれに出る症状は次のとおりです。
●重度の症状
・呼吸困難
・食欲減退
・錯乱
・持続的な痛み
・持続的な胸の圧迫感
・38度以上の高熱
●さらに深刻な症状
・脳卒中
・脳の炎症
・せん妄
・神経障害
●まれに出る症状
・イライラ
・意識の低下
・発作
・不安、うつ
・睡眠障害
急にこれらの症状が出たら「初期症状かもしれない」と疑って、次の行動を急いでください。
「コロナの症状かも」と思ったら
コロナの初期症状が現れたり、「コロナかもしれない」と思ったりしたら、どうすればよいのでしょうか。
ここでは東京都の場合を紹介しますが、多道府県もほぼ同じ体制を取っています(*2)。
かかりつけ医がある人は、その医師がいるクリニックに電話をして相談してください。
かかりつけ医がない人は、自宅近くの医療機関に電話をしてみてください。または、下記の東京都発熱相談センターに電話をしてください。
●東京都発熱相談センターの電話(無休、24時間対応)
03-5320-4592
東京都発熱相談センターは相談者に身近な医療機関を紹介するので、相談者はあらためてその医療機関に電話相談することになります。
電話相談をすると、医師が感染の疑いや受診の必要性などを判断します。
コロナ感染が疑われると、PCR検査を受けたり、新型コロナ外来を受診したりして、1)自宅で安静、2)医療機関の受診、3)宿泊療養、4)入院、のいずれかの措置が取られます。
自分の身を守るために初期症状の把握は重要
初期症状に早く気づくことができると、上記で紹介した電話相談やPCR検査や新型コロナ外来の受診が早まります。
それは自分の身を守ることにつながります。
そのためにぜひ、コロナ感染症の初期症状の種類を覚えておいてください。
無症状、軽症という初期症状も重要:感染を広げないために
WHOは、コロナ感染症の症状の特徴について次のように述べています。
Among those who develop symptoms, most (about 80%) recover from the disease without needing hospital treatment. About 15% become seriously ill and require oxygen and 5% become critically ill and need intensive care. |
コロナ感染症の症状が現れた人の約80%は、医療機関での治療を必要とせず、回復します。 約15%は重症化し、酸素吸入といった処置が必要になります。 残りの約5%は重症化し、集中治療が必要になります。 |
8割の人が軽症のまま治ります。また、コロナに感染してコロナ感染症を発症したものの、無症状の人もいます。
しかし、軽症や無症状の感染者が他人に感染させてしまった場合、その人は重症化するかもしれません。
そのため、軽症でも無症状でも、感染をしたら自宅隔離などが必要になります。
「無症状だが感染したかも」と思ったらコロナコールセンターへ
無症状では初期症状を把握できないわけですが、しかし、直近に会った人の感染がわかったり、感染者が出現した場所に居たことがわかったりしたら、公的機関に相談することで対策を講じることができます。
都民であれば「感染したかもしれない」と思ったら、下記の新型コロナコールセンターに電話相談してください。
●新型コロナコールセンター(無休、午前9時~午後10時)
0570-550571
感染した事実がわかることがどれだけ重要か
自分が感染したことを保健当局や医療機関に知らせることはとても重要です。それで感染拡大が抑制できるかもしれません。
国立感染症研究所感染症疫学センターは、クラスター(集団感染)が発生してしまっても、クラスターの連鎖を起こさないことが大切であると説きます。
そして、クラスターの連鎖を起こさないためには、次のことが必要です(*3)。
●さかのぼり調査を行って感染源を推定する
●感染者の濃厚接触者を把握する
●濃厚接触者に対して行動制限を行う
保健当局や行政機関がこうした行動を取るには、感染者の協力が不可欠です。
クラスターの発生源や感染源が明確で、かつ濃厚接触者をリストアップできれば、「囲い込み」をすることができるので、次の感染は囲い込んだ範囲内だけで発生し、クラスターの連鎖は起きない、という理屈です。
しかし実際は理屈に反して、保健当局が熱心にさかのぼり調査や囲い込みを行っているにも関わらずクラスターの連鎖が起きています。
それは、無症状感染者や軽症感染者が「見えにくいクラスター」をつくってしまうので、囲い込みができないからです。
クラスターの連鎖が、大規模集団発生や同時集団発生を引き起こし、重症者を増やし、死亡する人を増やしてしまいます。
まとめ~みんなの病気はみんなで対策を
1つの病気が別の病気を引き起こすことがあります。例えば糖尿病になると心臓が悪くなり、続いて腎臓が悪くなる、といったことが起こります。
それと同じことが、コロナ感染症では社会全体、世界全体で起きています。1人がコロナ感染症を発症すると、他人を巻き込んでしまいます。
そのため、すべての人が「コロナ感染症はみんなの病気」という自覚を持つべきでしょう。
コロナ感染症の初期症状を覚えておき、「もしかしたら」と思ったら医療機関や公的機関に相談するようにしてください。
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