新型コロナウイルスのワクチンの副反応を解説
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新型コロナウイルス向けのワクチン(以下、コロナワクチン)は、世界的な脅威から人類を解放するものと期待される一方で、副反応が問題になっています。
コロナワクチンの副反応について解説します。
ワクチンの副反応とは
薬によって悪い症状が出ることを副作用といいますが、ワクチンについては副反応という言葉が使われます。
コロナワクチンに限らず、すべてのワクチンに多かれ少なかれ副反応があります。
副反応について、ワクチンの製造、輸入、流通を担う企業で構成する日本ワクチン産業協会は次のように指摘しています(*1)。
・熱、腫れ、しこりなどが出ることが多い
・大抵は2、3日で消える
・「こわいもの」「副反応が嫌だから接種したくない」と思われるかもしれないが、必ずしもそうではない
・ほとんどは、生体の反応で一時的であり、病気にかかるリスクと比べると軽い
・重度の副反応はまれ
この考え方はコロナワクチンにも通用するものです。
厚生労働省はコロナワクチンの副反応について「臨床試験の結果などに基づいて、ワクチンの有効性、安全性、品質についての審査が行われ、ワクチンが承認されます」という見解を示しています(*2)。
「安全性の審査をしているので安全だ」とはいっていませんが、承認されているコロナワクチンは安全の審査を経ていることがわかります。
この考え方は、日本ワクチン産業協会の「副反応のほとんどは、生体の反応で一時的であり、病気にかかるリスクと比べると軽い」という考え方と似ているといえるでしょう。
3社のワクチンについて
日本政府はコロナワクチンとして、ファイザー製とモデルナ製とアストラゼネカ製を承認しています。
ただ、アストラゼネカ製については、予防接種で使うかどうか決めていません。
したがって、現在の日本のワクチンは実質的に、ファイザー製とモデルナ製の2つといます。
以下、2社のワクチンの副反応について紹介します。
ファイザー製の副反応
厚生労働省が確認している、ファイザー製のコロナワクチンの副反応は次のとおりです。「%」は発生確率(発現割合)です。
■50%
・接種した部分の痛み
・疲労
・頭痛
■10~15%
・筋肉痛
・悪寒
・関節痛
・下痢
・発熱
・接種した部分の腫れ
■1~10%
・吐き気
・嘔吐
モデルナ製の副反応
厚生労働省が確認している、モデルナ製のコロナワクチンの副反応は次のとおりです。
■50%
・接種した部分の痛み
・疲労
・頭痛
・筋肉痛
■10~15%
・悪寒
・関節痛
・吐き気
・嘔吐
・リンパ節症
・発熱
・接種した部分の腫れ
・発赤
・紅斑
■1~10%
・接種した部分の腫れ
アナフィラキシーショックについて
コロナワクチンの副反応ではアナフィラキシーショックが話題になりますが、厚生労働省は「ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められない」という見解を公表しています(*3)。
「アナフィラキシーショック」と「アナフィラキシーショック疑い」の発生確率は、ファイザー製で100万回接種で42件、モデルナ製で100万回接種で14.6回です。
かなりまれな副反応といえますが、アナフィラキシーショックは症状が大きいので警戒が必要です。
死亡について
厚生労働省によると、2社のコロナワクチンを接種したあとに亡くなった人は、2021年7月2日までに102人いました(*3)。
ただ政府は、これをもってコロナワクチンの接種を中止することは考えておらず、やはり接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとの考えを支持しています。
どちらのワクチンのほうが副反応が少ないのか
ファイザー製とモデルナ製では、どちらのコロナワクチンのほうが副反応が少ないのか気になるところですが、厚生労働省は両者には差はないとしています(*3)。
副反応の発生確率やアナフィラキシーショックの発生確率などは、2社にわけて算出していますが、接種対象者の年齢や接種会場などの属性が大きく異なるので単純な比較はできないためです。
副反応が出たらどうすればよいのか
副反応が出た場合の対処を紹介します。
アナフィラキシーショックが起きたら
アナフィラキシーショックは、起きるときは接種直後に発生するので、接種会場にいる医師や、接種した医療機関の医師が治療します。
アナフィラキシーショックが起きると、皮膚症状、消化器症状、呼吸器症状が起こり、血圧が低下して意識レベルが落ちます。治療は注射などで行います。
発熱や痛みが発生したら
発熱はコロナワクチン接種後1、2日以内に起きることが多く、その場合は個人で対処することになります。また筋肉痛などの痛みも同様です。
厚生労働省は解熱剤や鎮痛剤の服用をすすめています。
発熱が2日以上続いたり、症状が重くなったりしたときは、医療機関に相談してください。
失神したら
コロナワクチンを接種するとまれに、失神することがあります。
失神は、血管迷走神経反射が起こり、一時的に脳への血流が減少して意識を失う現象です。
コロナワクチン接種による緊張や副反応による痛みなどで血管迷走神経反射が起こり、失神することがあります。
失神すると意識が喪失してしまうので、1人きりでは対処できません。そのため、失神への備えが重要です。
過去にワクチン接種や採血検査で失神したり吐き気を催したりした人は、次の点に注意してください。
失神で恐いのは、転倒によるケガです。
そのため、失神の前に現れる頭のふらつきや吐き気、発汗などがみられたら、横になって休んでください。
コロナワクチンの接種会場や接種医療機関では、接種後30分ほど会場内・医療機関内で様子をみることになっています。
まとめ~過度に恐れず十分警戒を
政府のコロナワクチンへの考え方は明快です(*4)。
・コロナワクチンは感染を防止して収束に向かわせる切り札
・実際にコロナワクチンを接種することは、本人のためだけでなく、医療機関の負担を減らすことにもつながる
・接種のメリットは副反応のリスクより大きい
したがって、コロナワクチンの副反応を過度に恐れることは得策とはいえません。
しかし上記で紹介したとおり、副反応は決して軽視できません。そのため十分警戒する必要があります。
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