コロナのワクチンの種類、効果は、安全性は【2021年6月、最新情報】
INDEX
新型コロナウイルス向けワクチンについて、厚生労働省は2021年6月現在、次の3つを薬事承認しています(*1)。
・ファイザー製ワクチン
・モデルナ製ワクチン
・アストラゼネカ製ワクチン
この3つのワクチンの効果と安全性について紹介します。
ただ現在は、このうち予防接種法に基づいて接種できるのはファイザー製とモデルナ製です。なぜアストラゼネカ製ワクチンが薬事承認されているのに接種できないのかについても解説します。
ファイザー製ワクチンについて
ファイザー製は、mRNAというタイプのワクチンで、コロナが人の細胞に侵入するために必要なタンパク質の設計図となるmRNAをワクチンとして投与します。
ワクチンに含まれるmRNAが人の細胞に取り込まれると、体内に抗体ができて免疫を獲得することができます(*2)。
免疫を獲得できると、コロナ感染症の発症の予防が期待できます。
接種について
ファイザー製ワクチンを接種できるのは12歳以上の人で、1回0.3mlを注射で投与して、2回打ちます。1回目と2回目の間は3週間空けます。
1回目にファイザー製を接種した人は、2回目も必ずファイザー製を打ちます。
有効性について
ファイザー製ワクチンのコロナ感染症の発症予防効果は95%です。
2回目を摂取してから7日後以降に効果が生まれるとされています。
ただこれは発症予防の効果であって、感染予防効果は不明ですので、ファイザー製ワクチンを2回接種しても、感染防止対策は継続する必要があります。
安全性、副反応について
ファイザー製の副反応には、頭痛、関節痛、筋肉痛、疲労、寒気、発熱、注射した部分の痛みなどがあり、まれにアナフィラキシーショックを引き起こすことがあります。
モデルナ製ワクチンについて
モデルナ製ワクチンもmRNAワクチンです。効果が出るメカニズムはファイザー製と同じです(*3)。
接種について
モデルナワ製クチンを接種できるのは18歳以上の人で、1回0.5mlを注射で投与して、2回打ちます。1回目と2回目の間は4週間空けます。
1回目にモデルナ製を接種した人は、2回目も必ずモデルナ製を接種します。
有効性について
モデルナ製ワクチンの発症予防効果は94%です。
2回目の接種から14日以降に効果が生まれます。
モデルナ製でも感染予防効果は不明ですので、モデルナ製ワクチンを2回接種しても、感染防止対策は継続する必要があります。
安全性、副反応について
モデルナ製ワクチンの副反応には、頭痛、関節痛、筋肉痛、疲労、寒気、発熱、注射した部分の痛みや腫れなどがあります。接種してから1週間後に痛みや腫れが出ることもあります。アナフィラキシーショックもまれに起きます。
アストラゼネカ製ワクチンについて
アストラゼネカ製のワクチンは薬事承認されたものの、予防接種法に基づいた接種を行うかどうかは審議中です(*4)。
厚生労働省や政府は、アストラゼネカ製ワクチンの接種を進めない理由を明確にしていませんが、血栓が起きやすいことは認めています(*5)。
アストラゼネカ製ワクチンによる血栓について、厚生労働省は次のような見方をしています。
●まれに珍しいタイプの血栓症が起きるという報告がある
●血栓症の発生頻度は10万~25万回に1回で、極めてまれといえる
●ただ、適切な診断や治療方法も報告されている
●ファイザー製やモデルナ製のワクチンでは、アストラゼネカ製と同じ血栓症が起きた事例は報告されていない
特徴と接種について
アストラゼネカ製ワクチンは、チンパンジーのウイルスを原料にしてつくられています(*6)。タイプとしてはウイルスベクターワクチンとなり、mRNAタイプとは異なります。
このワクチンを接種すると、抗体ができて免疫を獲得することができます。
1回目と2回目の間は4~12週間空けます。
有効性について
アストラゼネカ製ワクチンの有効性について厚生労働省は「イギリスやブラジルで感染症の発症がどの程度抑制されるか比較されている」としか述べていません。
ただ、イギリスのBBCは、デンマークが血栓の発症を懸念して、アストラゼネカ製ワクチンの使用を完全に中止したと報道しています(*7)。
安全性、副反応について
アストラゼネカ製ワクチンの副反応には、痛み、頭痛、倦怠感、筋肉の痛み、注射をした部分の腫れなどがあります。
政府は1億5,700万人分を確保した
政府はファイザー製、モデルナ製、アストラゼネカ製のワクチンを合計3億1,400万回分確保したと公表しています(*8)。1人2回打つので、3億1,400万回分は1億5,700万人分となります。
3億1,400万回分(1億5,700万人分)の内訳は次のとおりです(*10、*11、*12)。
・ファイザー製:1億4,400回分(7,200万人分)
・モデルナ製:5,000万回分(2,500万人分)
・アストラゼネカ製:1億2,000万回分(6,000万人分)
日本の人口は約1億2,536万人(2021年5月現在)なので、1億5,700万人分なら十分ですが、このままアストラゼネカ製を接種できなくなると、単純計算で9,700万人分(=1億5,700万人分-6,000万人分)のワクチンがあることになります(*13)。
ただ政府は、この状態をもって「ワクチンが足らない」という認識を示しているわけではありません。
まとめ~当面は2種類のワクチンを打つことになる
当面は、ファイザー製かモデルナ製の、いずれかのワクチンを打つことになるでしょう。
ただ、ジョンソン・エンド・ジョンソンも厚生労働省に対してワクチンの薬事承認を申請しています(*14)。
また、日本の製薬メーカーも鋭意ワクチン開発に取り組んでいます。選択肢が広がり、より安全でより効果があるワクチンができることを期待したいです。
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