「重症アトピー性皮膚炎の治療を大きく変えた」とまで言われるデュピクセントとは
INDEX
大学医学部の皮膚科の教授をして「重症アトピー性皮膚炎の治療を大きく変えた」といわしめた薬があります(*1、*2)。
それはデュピクセント(一般名、デュピルマブ)です。
この薬は、医師の判断のもと、患者さんが自分で注射を打つことができるので、通院回数を減らすことができます(*3)。
40年以上かゆみと闘ってきた患者さんが「ようやく解放された」と喜ぶことがあるほど高い効果が期待できるデュピクセントについて解説します(*4)。
当院でもデュピクセント治療を行っています
ヒロオカクリニックでもデュピクセントを使ったアトピー性皮膚炎の治療を行っています。
(東京医科大学病院 皮膚科から専門医の先生を派遣していただき、連携して治療を行っております。)
初診の方は金曜日の午後の皮膚科をご予約下さい。
■ヒロオカクリニックの電話番号
0570-002-666
※ナビダイヤルの1番「外来」よりご予約ください。
■ヒロオカクリニックの予約ページのURL
https://hirooka1666.reserve.ne.jp/sp/index.php
アトピー性皮膚炎とは
デュピクセントが効果を生むメカニズムを紹介する前に、アトピー性皮膚炎について解説します。
眠れないほどのかゆみ
主な症状は、全身に広がることがある湿疹と、それにともなうかゆみです。重症化すると、かゆみで眠れないほど悪化します。
また、よくなったり悪化したりを繰り返す特徴もあります。
IL-4、IL-13がかゆみの原因
アトピー性皮膚炎の症状は、皮膚が本来持つバリア機能が低下して発生します。正常な皮膚は外界からの刺激や乾燥から体を守りますが、アトピー性皮膚炎を発症すると小さな刺激で炎症が起きかゆみを生じさせます。
皮膚のバリア機能が低下するのは遺伝的な要素もありますが、リンパ球の一種であるT細胞に異常が生じるからです。
T細胞は免疫に関与していて、ウイルスやがん細胞を叩く能力があります。しかしT細胞に異常が生じると、T細胞の一種であるTh2細胞が活性化してしまいます。
Th2細胞はIL-4とIL-13というサイトカイン(タンパク質の一種)を生みます。
このIL-4とIL-13がかゆみの原因になります(*5、*6、*7)。
ここまでの説明をまとめるとこのようになります。
■アトピー性皮膚炎の発症のメカニズム
掻破による刺激や遺伝的集団によりT細胞に異常が生じる
↓
Th2細胞が活性化する
↓
かゆみの原因であるIL-4とIL-13が増加する
↓
皮膚のバリア機能が低下
↓
皮膚が炎症を起こしやすくなり、かゆみが生じる
デュピクセントはIL-4、IL-13を阻害するから「改善する」
デュピクセントはかゆみの原因であるIL-4とIL-13の働きを阻害します。つまりデュピクセントは、かゆみの根本にアプローチして症状を改善していきます。
アトピー性皮膚炎のその他の治療法は症状を和らげるタイプが多く、それらと比べるとデュピクセントの効果は非常に高く、著明な(明らかな)改善が期待できます(*1)。
自己注射が可能なので通院回数が減る
デュピクセントは注射で投与しますが、自己注射が可能です。
医師がデュピクセントによる治療が必要であると判断したら、最初だけ医師や看護師がみさせて頂きながら注射投与の練習を行います。それ以降は問題がなければ患者さんが自宅などで自分で注射をします。注射の頻度は2週に1回で、症状が安定すれば4週に1回に減らすことができます(*8)。
ただしすぐに使えるわけではなく、費用も高額
アトピー性皮膚炎の患者さんにとってデュピクセントの登場は朗報といえますが、欠点もあります。
それは、すぐにこの薬を使えるわけではないことと、治療費が高額になることです。
従来の治療で効果が出ない場合のみに使える
デュピクセントは、医師がアトピー性皮膚炎と診断しても、すぐに処方してもらえるわけではありません。
まずは、ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤といった炎症を抑える塗り薬(抗炎症外用剤)で治療を行い、一定期間が経過しても効果が出ず、さらに、強い炎症が広範囲に及ぶときデュピクセントが処方されます。
また、デュピクセントを使った治療が始まっても抗炎症外用剤を併用し、保湿のための塗り薬(保湿外用剤)も使います(*2)。
35万円だが高額療養費制度で負担を軽減できる
デュピクセントの価格(薬剤費)は注射1本約59,000円なので、6本使うと(6回投与すると)約35万円になります。
かなり高額の治療といえます。
ただし公的医療保険を使うことができるので、3割負担の場合、患者さんの自己負担額は約10万円(6回投与)になります。
国が上限額以上の医療費を負担する高額療養費制度を使えば、自己負担額はさらに減額されます。高額療養費制度を使ったときの自己負担額は患者さんの年収や年齢によって異なります(*9、*10)。
まとめ~あきらめないで
この記事の内容を箇条書きでまとめます。
・重症のアトピー性皮膚炎の治療にデュピクセントという薬がある
・デュピクセントはかゆみの原因を取り除くので高い効果が期待できる
・自己注射が可能で通院回数を減らせるメリットもある
・ただし従来の治療を受けたあとにしか使うことができない
・治療費は高額だが高額療養費制度で負担を軽減できる
「どうせ治らない」とあきらめていた方も、デュピクセントなら改善を期待できます。
新宿 ヒロオカクリニックでもデュピクセントを使ったアトピー性皮膚炎の治療を行っています。
(東京医科大学病院 皮膚科から専門医の先生を派遣していただき、東京医科大学病院と連携して治療を行っております。)
初診の方は金曜日の午後の皮膚科をご予約ください。
■ヒロオカクリニックの電話番号
0570-002-666
※ナビダイヤルの1番「外来」よりご予約ください。
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