疲労回復点滴にはどんな効果がある?種類や料金についても解説
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「体調が思わしくないがどうしても休めない」
「多忙な生活のなかで体調管理をしなくてはいけない」
「肌荒れや二日酔いをなんとかしたい」
このような状況になり、即効性のある方法として疲労回復点滴を検討している方も多いのではないでしょうか。
疲労回復点滴は、疲労感や倦怠感、眼の疲れ、食欲不振、肩こり、腰痛などの解消を目的とした点滴で、忙しい日々の中で、ストレスや疲労を感じている方におすすめです。疲労回復点滴と言えば、「ニンニク注射」を思い浮かべる方も多いでしょう。ニンニク注射のようにビタミンやアミノ酸などを組み合わせて配合した注射を疲労回復点滴と呼びます。
ここでは、疲労回復点滴に期待できる効果や、配合されている成分、代表的な3種類について解説しています。忙しくても体調を整えつつ、仕事や家事・育児に頑張りたい方は、参考にしてみてください。
疲労回復点滴とは?
疲労回復点滴は、倦怠感や疲労感を解消することを目的として、ビタミンやアミノ酸などの成分を配合した点滴のことです。疲労によって蓄積される乳酸をすばやく代謝したり、免疫機能を高めてくれたりする成分が含まれているため、疲労感を解消する効果が期待できます。
そのため、以下のような方におすすめです。
- ●忙しくてなかなか疲れがとれない
- ●お酒をよく飲むので、二日酔いを避けたい
- ●肩こりや腰痛がひどい
- ●食欲がない
代表的なものとして、「ニンニク注射」や」「ニンニク点滴」を耳にしたことがある方もいるでしょう。これらはニンニクが入っているわけではありませんが、ニンニクの成分の一つであるビタミンB1が含まれているため、このように呼ばれています。ビタミンB1は、乳酸の代謝に関わっており、多くの疲労回復点滴に含まれる代表的な成分です。
それ以外にも疲労回復効果が期待できる成分を組み合わせて、医療機関ごとに異なる成分での疲労回復点滴が提供されています。
疲労回復点滴の主な成分
疲労回復点滴によく含まれている成分について、その働きや効果を中心に解説していきます。
ビタミンB1(チアミン)
ビタミンB1は、糖質が代謝されエネルギーが産生される過程で必要となるビタミンです。
ビタミンB1が不足すると糖質の代謝が低下し、体内で乳酸が大量に産生されて蓄積します。乳酸が蓄積すると、疲労感や倦怠感を感じるようになり、食欲低下や集中力低下などの症状が出てきます。
ビタミンB1には、身体面での疲労回復と、精神面での安定に働きかける効果が期待できるでしょう。
ビタミンB5(パントテン酸)
ビタミンB5はパントテン酸とも呼ばれ、エネルギー産生の時に重要な役割を果たしている補酵素A(コエンザイムA)の成分です。補酵素Aは、糖質やタンパク質、脂質の代謝で重要な役割を果たし、体内で起こる多くの酵素反応に関与しています。
エネルギー産生に関わっているため、パントテン酸を補充することで倦怠感の軽減につながります。また、抗炎症作用を持つステロイドホルモンの合成や、神経伝達物質であるアセチルコリンの合成にも関わっており、体調を整えるための作用をいくつも持ち合わせていることが分かります。
ビタミンB6
ビタミンB6は、多くのアミノ酸の代謝に関わっています。免疫機能の正常な働きの維持や、皮膚の抵抗力の増進、赤血球のヘモグロビンの合成、神経伝達物質の合成促進などの作用もあります。
ビタミンB6を補充することで、免疫機能が高まり、貧血の改善につながります。
ビタミンB12
ビタミンB12は、アミノ酸や脂肪の代謝と、赤血球の合成に関わっています。赤血球が合成されることで血流量が増加し、貧血を予防または改善し、倦怠感が軽減します。
また、神経の修復にも関わっており、末梢神経障害を改善する効果があります。それによって眼の疲れや肩こりにも効果が期待できます。
ビタミンC
ビタミンCは、コラーゲンの生成に関係しており、細胞同士をつなげる役割を果たしています。コラーゲン生成により肌にハリをもたらし、抗酸化作用もあるため、肌荒れにも効果が期待できます。
また、ビタミンCは、細菌やウイルスと戦ってくれる白血球やリンパ球に多く含まれています。そのため、ビタミンCを摂取することで、免疫機能が高まり、風邪の予防や回復につながる可能性があります。
さらに鉄の吸収を促進することで貧血を改善したり、抗酸化作用によって疲労を引き起こす活性酸素を除去して疲労感を軽減したりする効果も期待できます。
グリチルリチン酸
グリチルリチン酸には抗炎症作用や肝細胞増殖作用があります。これにより肝細胞の障害が抑えられ、肝細胞の増殖を促進し、肝機能が改善されます。抗アレルギー作用や皮膚の炎症を抑える作用もあり、湿疹や皮膚炎にも使用されています。
体内の炎症を抑え、免疫機能を高める効果から、疲労感の軽減や風邪の予防などにも効果が期待されています。
グルタチオン
グルタチオンは、アミノ酸が3つ連なったトリペプチドです。抗酸化作用により、酸化してしまったビタミンCを還元し再利用できる状態に戻したり、自らも活性酸素を除去したりして、疲労感の軽減に貢献しています。
また、肝臓での薬や異物に対する解毒作用や、糖質の代謝の調節作用もあり、肝機能の維持をサポートしているため、肝機能改善にも効果が期待できます。
疲労回復点滴に期待できる効果
疲労回復点滴に期待できる効果は以下のとおりです。
- ●疲労回復
- ●眼精疲労の回復
- ●食欲増進
- ●肩こりや腰痛の改善
- ●体力増強
- ●代謝促進
- ●肝機能改善
- ●不眠の改善
- ●肌荒れの改善
- ●ストレス緩和
- ●風邪予防
どうしても外せない大事な仕事や試験がある場合など、蓄積した疲労感を解消したいときに疲労回復点滴を希望される方が多くいます。ただし、基本的には効果が長く持続することはないため、定期的に点滴を受けながら生活習慣の改善に努める必要があります。
疲れの根本となる体や心へのストレスを解消していくことで、より体調をコントロールしやすくなるでしょう。
疲労回復点滴の種類は?
疲労回復点滴は、同じ名前であっても医療機関ごとに含まれている成分が少しずつ異なります。その中で、主に含まれている成分ごとに以下の3つに大別されます。
- ●疲労回復・美肌のためのビタミン点滴(ニンニク注射)
- ●肝機能改善のための点滴
- ●幹細胞培養上清液点滴
それぞれの目的や期待できる効果について解説していきます。
疲労回復・美肌のためのビタミン点滴(ニンニク注射)
ビタミン点滴には、数種類のビタミンが配合されている場合がほとんどです。特に、ビタミンB1は疲労感の解消が期待できるため、多くのビタミン点滴に含まれています。
ビタミンが不足すると疲れが蓄積したり、肌荒れが起こりやすくなったりします。食事から摂取したビタミンだけでは疲労回復に追いつかない場合がありますが、不足しているビタミンを直接血液中に投与することにより、比較的すばやく効果を実感できます。また、免疫機能を高める効果も期待できるため、風邪の予防や風邪からの回復促進にも効果があります。
肝機能改善のための点滴
肝機能改善のための点滴には、グリチルリチン酸やグルタチオンが主に含まれています。どちらも肝機能改善効果を持つ成分で、お酒をよく飲む方や二日酔いの方にも効果が期待できます。
肝臓の機能が低下すると、代謝や解毒を十分におこなえないため、体内でエネルギー不足や毒素の蓄積が起こり疲労を感じるようになります。肝機能改善のための点滴によりこれが改善されれば、疲労回復に対する効果が期待できるでしょう。
幹細胞培養上清液点滴
幹細胞培養上清液とは、幹細胞を培養した時に使用した液体の上澄みです。ビタミン点滴や肝機能改善のための点滴とは成分が全く異なり、他の成分と混合して使用することはほとんどありません。
幹細胞は、ダメージや寿命などによって失われた細胞の代わりをつくって補充する能力を持っており、自分と全く同じ能力を持った細胞に分裂することもできます。現在再生医療において非常に注目されている研究対象となっています。
幹細胞を増殖させる際には培養液を使用します。培養が終了した後の培養液から幹細胞を取り除き、精製・滅菌する工程を経てできた上澄みが、幹細胞培養上清液となります。
この幹細胞培養上清液には、幹細胞が増殖する際に放出されたサイトカインなどの抗炎症因子や成長因子が多く含まれており、美容やアンチエイジングのみではなく疲労回復にも効果が期待できるのです。
幹細胞培養上清液点滴を採用している医療機関は多くはないため、気になる方は、まず情報収集からはじめてみましょう。
幹細胞上清液点滴について詳しく知りたい方はこちらの記事ご覧ください
疲労回復点滴の料金は?
疲労回復点滴の料金相場について、保険が適用できるかどうかを含めて、解説していきます。
疲労回復点滴は保険の対象になる?
疲労回復点滴のほとんどは、自由診療でおこなわれています。つまり、各医療機関が料金を自由に定めることができ、基本的には全額自己負担で支払う必要があります。
保険診療は、病気やけがに対する検査・治療など決まった範囲にのみ適用されます。そのため、疲労回復点滴は残念ながら保険の対象にはなりません。
疲労回復点滴の料金相場
疲労回復点滴の種類ごとの料金相場についてみていきましょう。
疲労回復・美肌のためのビタミン点滴(ニンニク注射)や肝機能改善のための点滴の場合、料金相場としては5,000円前後です。
また、幹細胞培養上清(アインプロス™)点滴は、1回30mlを静脈内投与した場合、料金相場は45〜50万円程度になります。1回で投与する量が少なかったり、使用している幹細胞培養上清の種類が違っていたりすることで、医療機関によって料金は異なります。
幹細胞培養上清液点滴は、その質によって強い副作用が発生する場合があります。料金だけで判断するのではなく、信頼できるクリニックでの検討を強くおすすめします。
疲労回復点滴にかかる時間は?
疲労回復点滴にかかる時間は、おおむね1時間程度です。
具体的な流れとして、まずは30分程度の問診がおこなわれます。再診の場合は時間が変わることもあるでしょう。また、場合によっては診察が必要なこともあります。
その後に点滴の準備をして、投与を開始します。実際に点滴を打つ時間は15分程度のところが多いでしょう。
最後に、会計までの時間があり、この間に気分が悪くなった場合はすぐに報告しましょう。15分程度かかります。
疲労回復点滴はどれくらいのペースで受けるべき?
疲労回復点滴の効果が感じられたら、次はいつ点滴を受けに行こうかと予定を立てたい方も多いのではないでしょうか。
疲労回復点滴の成分は、3日程度で体内からなくなるものが多いでしょう。特に水溶性ビタミンに関しては、余分なものは尿に含まれて体外に排出されてしまいます。
持続効果は3日から1週間程度は期待できるため、週に1回の間隔で疲労回復点滴を継続する場合が多いようです。これはあくまで目安であり、人によって感じ方や疲労の度合いも違うため、自身に適切な間隔については問診の際に相談すると良いでしょう。
まとめ
疲労回復点滴は、なかなか疲れがとれないという方や、仕事や試験など外せないスケジュールに向けた体調管理をしたい方におすすめの点滴です。ビタミンやアミノ酸などを投与することで、すばやく効率良く、さまざまな効果を得られることが期待できます。
疲労回復点滴の料金相場は、ビタミン点滴(ニンニク注射)や肝機能改善のための点滴など栄養素が含まれているもので5,000円前後、幹細胞培養上清液により細胞にアプローチする点滴で45〜50万円程度です。
疲労回復点滴は、医療機関によって採用している点滴の種類や成分が異なります。まずはご自宅や職場の近くにある、疲労回復点滴を取り扱っている医療機関を探してみましょう。
新宿で疲労回復点滴をご検討中の方は、ぜひ当院ヒロオカクリニックへお越しください。