発熱したらどうするか~まだまだWithコロナ下なので警戒を
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新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ感染症)が国内で大流行しても経済が止まらなくなりました。第8波が到来しても原則、行動制限は行われませんでした(*1、*2、*3)。
ただこれは安心して良い状態ではなく、コロナと共存するWithコロナ時代に突入したことを意味していて、むしろ警戒を強めて生活やビジネスをしていく必要があります(*4)。
政府や自治体や行政機関が規制をかけない分、自己責任が大きくなると考えてほうがよいいでしょう。
そこで注意したいのが発熱です。
発熱はコロナ感染症の典型的な症状ですが、油断してコロナのことを忘れていると「風邪かな」と軽く考えてしまいます。
それではWithコロナを乗り越えることはできません。
この記事では発熱の対処法や「コロナ軽症」の人が取るべき行動を解説します。
新宿区も発熱に警戒している
人々の発熱などについては行政機関も警戒していて、例えば新宿区は、区民がコロナ感染症が疑われる症状を発症したら、かかりつけ医に電話で相談するか、発熱相談センターに電話をするよう呼びかけています(*5、*6)。
■新宿区が区民に求める発熱時の対応
発熱したら、かかりつけ医に電話で相談を
かかりつけ医がない場合は、発熱相談センター(下記)に電話を
・東京都発熱相談センター(24時間受付)
03-5320-4592、03-6258-5780、03-5320-4551、03-5320-4411
・新宿区発熱等電話相談センター(平日9時~17時)03-5273-3836
・東京都発熱相談センター医療機関案内専用ダイヤル(24時間受付)
03-5320-4327、03-5320-5971、03-5320-7030
新宿区はさらに、コロナ感染症が疑われる発熱などの症状があった場合に対応する医療機関の一覧を公式サイトで公開しています。URLは以下のとおり。
■新宿区の「発熱などのコロナ感染症が疑われる症状がある場合の受診先」一覧
相談の結果、必要であれば受診する
新宿区では、かかりつけ医や発熱相談センターに相談した結果、受診が必要となったら以下の要領で医療機関にかかります。
■受診時の注意点
・受診前に医療機関に予約をする。予約がないと診療を断られることもある。
・受診時はマスクを着用する
・公共交通機関は利用しない
医療機関でコロナの検査をするかどうかは医師が判断します。
コロナ検査の費用は医師が必要と判断した場合は無料となりますが、その医療機関を受診したことによる初診料などは患者さん負担となります。これは通常の受診と同じです。
またこれも医師の判断によりますが、患者さんの容態に応じて別の医療機関を紹介することもあります。
発熱や咳だけでもすぐに相談したほうがよい人
厚生労働省は、発熱や咳だけでも、次のような方はすぐにかかりつけ医や各地の相談窓口に相談するよう呼びかけています(*7)。
■発熱や咳だけでもすぐに医療機関に相談したほうがよい人
・重症化しやすい人
・例えば、高齢者、糖尿病患者さん、心不全患者さん、呼吸器疾患患者さん、透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤を使っている方
また、普段は健康な方でも、「発熱+咳」に「息苦しさor強いだるさor高熱」が加わった場合も、すぐに医療機関に相談してください。
さらに、症状が「発熱+咳」だけで、しかもそれが軽症であっても、症状が4日以上続く場合は医療機関に相談しましょう。
発熱への対応:人々ができることと企業などができること
では、症状が発熱や咳ぐらいしかなく、自身の感覚で「これはどう考えても風邪だろう」と思えたときはどうしたらよいのでしょうか。
つまり、コロナ禍前であれば「これくらいの症状なら普通に会社に行っていた」というような状態のときです。
厚生労働省はそのような人に対して、仕事や学校を休むみ、他の人との会食を控えて欲しいとしています(*7)。
これこそまさにWithコロナの対応といえるでしょう。
コロナ禍前なら無理して会社や学校に行っていたが、Withコロナ下なので会社や学校を休むようにするわけです。
Withコロナを生き抜くには行動変容が必要です。
また同省は企業などに対し、従業員などが休みやすい職場環境を整えるよう要請しています。
Q:発熱で休んでどうするのか→A:無料の検査キットを受け取る
では、発熱や咳によって会社や学校を休んだら、何をしたらよいのでしょうか。
もちろん、外出せず自宅に居ることになるのですが、そのままではコロナ感染症にかかってしまったのか、単なる風邪なのか、それともインフルエンザなのかわかりません。
そこで都道府県はコロナ検査キット(抗原定性検査キット)を無料配布しています(*8、*9)。
無料配布の対象となるのは、発熱、のどの痛み、咳、倦怠感の症状があり、自宅に居る方です。
東京都の場合は以下のサイトから申し込みます。
コロナ検査キットを使って自分で調べて陽性疑い(感染疑い)が出たら、東京都の場合は、陽性者登録センターに申請し、医療機関などに相談し、必要に応じて受診します。
「コロナ軽症」の人の療養解除の方法
発熱をきっかけにコロナ検査を行いコロナ感染症を発症したことがわかっても、軽症のまま治る人もいます。特にオミクロン株は若者の重症化リスクが低いとされ、多くは軽症で済み、入院は必要としません(*4)。
では「コロナ軽症」の人は、どのような段取りで普段の生活に戻っていけばよいのでしょうか。
陽性だった人は、以下の表のようにすごすことになります(*9)。
まずは自宅または宿泊施設で療養します。そして外出自粛期間をへて療養解除となります。
「療養解除」とは「もう普段の生活に戻ってよい」という意味になります。
■陽性だった人の療養解除までの日程
自宅療養者、または宿泊施設療養者 | |||
症状がある人 | 症状がない人 | ||
0日目 | 発症日 | 検体採取日 | |
1~4日目 | 不要不急の外出自粛 | 不要不急の外出自粛 | 不要不急の外出自粛 |
5日目 | 抗原検査キット陰性 | ||
6日目 | 療養解除 | ||
7日目 | 検温などの自主的な感染予防行動の徹底 | ||
8日目 | 療養解除 | 療養解除 | |
9日目 | 検温などの自主的な感染予防行動の徹底 | ||
10日目 |
このように症状がない人の場合、5日目にコロナ検査キット(抗原検査キット)で陰性が出たら、6日目には療養を解除することができます。つまり、外出自粛期間はわずか5日間です。
症状がある人でも8日目には療養解除を迎えるので、外出自粛期間は7日間です。
不要不急の意味
上記の表には「不要不急の外出自粛」と書いてあります。つまり「絶対に外出してはいけない」とは書いてありません。
陽性者の外出自粛は、感染症法に基づく協力要請なので必ず守る必要があります。
では「不要不急ではない状態」つまり「外出する必要があって、しかも急を要する状態」であれば、外出してもよいのでしょうか。そこにも一定のルールがあります。
外出自粛期間中でも、症状が軽くなってから24時間が経過した場合や、無症状の場合は、生活必需品などの買い出しなどの必要最低限の外出は可能です。
ただその際は、人と接触する時間を短くする、公共交通機関を使わない、マスクをする、といった感染予防行動が必要になります。
まとめ~Withコロナで重要なのはルールを守ること
この記事の内容を箇条書きでまとめます。
・今はまだWithコロナ下なので発熱や咳に警戒を
・発熱や咳といったコロナ感染が疑われる症状が出たら、かかりつけ医か相談窓口に電話相談を
・発熱したら仕事や学校を休もう
・コロナ軽症は1週間ほどで外出自粛などの療養が終わる
これらの内容を社会のルールとみなしてみんなで守っていくことがWithコロナ下での生活となるでしょう。