痛みで眠れなくなることもある帯状疱疹の予防にはワクチン接種があります
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帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、始まりこそ皮膚がチクチクする程度ですが、しばらくすると発疹(ほっしん)や水ぶくれが大量に現れ、痛みで眠れなくなるほど悪化することもあります。
そのため症状が出たら「帯状疱疹かもしれない」と疑って、早めに医療機関にかかることをおすすめします。
帯状疱疹はウイルスに感染して発症するため、予防にはワクチンが有効であるとされています。
この記事では、帯状疱疹の症状や原因、治療法、ワクチンについて解説します。
症状~「チクチク」から「眠れない」へ
帯状疱疹の初期の症状は「皮膚に違和感がある」「チクチクする」「かゆい」といった程度です。
症状が小さいとつい「この程度でクリニックに行くのは大袈裟」と考えてしまうかもしれませんが、実はこの段階で医師に診てもらうのが理想です。
「針で刺されたよう」「焼けるよう」
それが帯状疱疹だった場合、チクチク程度の痛みを放置していると、やがてピリピリやズキズキといった強い痛みに進行してしまいます。
さらには「針で刺されたような」や「焼けるような」痛みへと強まっていきます。
水ぶくれをともなう赤い発疹が帯状に広がる
そのころになると、水ぶくれ(水疱、すいほう)をともなう赤い発疹が現れ、その面積を広げていきます。その形状が細く長く帯状になることから、これを帯状疱疹というわけです。
痛みはさらに強くなり眠れなくなる人もいます。
1)上半身、2)左右の片方、3)3、4週間、4)失明、顔面麻痺も
帯状の発疹が現れるのは上半身が多く、右か左の片方に出る、という特徴があります。
特に多い部位は、腕、胸、背中で、次いで腹、頭部、顔面、腰などとなっています。
激しい痛みは3、4週間続くことがあります。
さらに悪化すると頭痛や高熱が出てくることがあります。
そして首から上に帯状疱疹が出てそれが悪化すると、失明、顔面麻痺、難聴につながってしまうこともあります。
帯状疱疹は油断できない病気、恐い病気であるととらえて間違いないでしょう。
50歳以上で増え、再発することもある
帯状疱疹の原因の1つに加齢があります。50歳以上で発症することが多く、年齢を重ねるごとに発症リスクが高くなります。80歳までに3人に1人が発症するというデータもあります。
激しい痛みが3、4週間続いたあと、症状が和らぐことがあります。
しかしそれで治ったわけではなく、帯状疱疹は再発することがあります。
再発は、症状が軽くなってから1年以上経過して起きることが多いとされています。
原因~ウイルスに感染して発症
帯状疱疹の原因は特定されていて、ウイルスに感染して発症します。
ウイルスの名称は水痘・帯状疱疹ウイルスといい、これは水疱瘡(みずぼうそう)を引き起こすウイルスでもあります。
では、すでに水疱瘡を発症したことがある人なら、体内に免疫ができているはずなので帯状疱疹が起きないのかというと、そうではないのです。
水疱瘡を引き起こしたあと神経のなかに潜伏
子供のころに水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると、まずは水疱瘡を発症します。
それによって免疫ができるので、原則、水疱瘡を再発することはありません。
しかし水疱瘡を発症したあとも、水痘・帯状疱疹ウイルスが体内に残ることがあります。大抵は神経のなかに潜伏します。
免疫低下で活動再開、皮膚に到達して帯状疱疹を引き起こす
水痘・帯状疱疹ウイルスが潜伏しているだけでは帯状疱疹は起きません。
しかし、加齢や疲労、ストレスによって免疫力が低下すると水痘・帯状疱疹ウイルスが活動を再開し神経を伝わって皮膚に到達して帯状疱疹を引き起こします。
日本人に9割がウイルスを持つ
先ほど、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を発症すると紹介しましたが、これほど発症率が高いのは、日本人の9割が水痘・帯状疱疹ウイルスを持っているとされているからです。
「誰にでも起こりうる」と考えておいてよいでしょう。
治療~ウイルスの増殖を抑える薬を使う
クリニックで帯状疱疹と診断されると、薬が処方されるはずです。
帯状疱疹の治療で使う薬は、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬と、痛みを鎮める鎮痛薬です。
また皮膚の症状を和らげたり痛みを改善したりするために、塗り薬を使うこともあります。
予防~ワクチンがあります
帯状疱疹はワクチンを打つことで予防効果が期待できます。
水疱瘡を発症したことがある人は免疫を獲得しますが、加齢や疲労、ストレスによって免疫の力が低下します。ワクチンを打つことで再び免疫の力を強化することができます。
帯状疱疹のワクチンの対象者は50歳以上です。
ただ、ワクチンを打っても帯状疱疹を発症することがあります。しかしその場合でもワクチンを打っている人は症状が軽くなることが期待できます。
まとめ~生活の質を保つために予防と早期治療を
帯状疱疹はつらい病気です。
失明や顔面麻痺にいたらなくても、絶えず痛みに苦しんだり、皮膚がボロボロになったり、眠れなくなったりします。生活の質は著しく低下するでしょう。
帯状疱疹は加齢とともに発症リスクが高まるので、50歳以上の方はワクチン接種を検討してもよいと思います。
そして「皮膚が変だな」と感じたら、なるべく早く医者に診てもらいましょう。
帯状疱疹の苦しさから逃れる方法は、予防と早期発見・早期治療の2つです。