健康診断はどこで受けるのか|新宿ヒロオカクリニック
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会社勤めの人は「健康診断をどこで受けるか」と迷うことはないと思います。会社の総務部などから「この日時にこのクリニックで健康診断を受けてください」と指定されるだろうからです。
しかし会社勤めをしていない人や、会社を辞めて転職活動中の人などは、どこで、どのように健康診断を受ければよいのか悩む人も多いでしょう。
この記事では、「健康診断はどこで受けるのか」について解説します。
会社が健康診断を行うのは法律で定められているから
しばらく健康診断を受けていない人でも近く就職する予定があれば、その会社で健康診断を行ってくれるはずです。
また、企業などに就職すれば定期的に健康診断を受けることができます。
企業などの事業者は労働者に対して健康診断を実施しなければならない、と法律で定められているからです。
入社したときと年1回
労働安全衛生法第66条は、事業者(企業などのこと)に健康診断の実施を義務づけています(*1)。
■事業者が実施しなければならない健康診断
・雇い入れ時の健康診断(雇用したときに実施する)
・定期健康診断(1年に1回実施する)
この他にも、特殊な仕事をしている労働者には6カ月に1回、健康診断を受けさせなければならない、といったルールもあります。
法律で定められている健康診断とは
事業者が実施しなければならない健康診断のことを一般健康診断といい、検査項目は以下のとおりです。
■一般健康診断の検査項目
・既往歴と業務歴の調査
・自覚症状と他覚症状の有無の検査
・身長、体重、腹囲、視力、聴力の検査
・胸部エックス線検査
・血圧の測定
・貧血検査(血色素量と赤血球数)
・肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)
・血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
・血糖検査
・尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
・心電図検査
こうして見ると、かなりしっかり調べてもらえることがわかると思います。
大抵は医療機関に行って受ける
勤め先で健康診断を受ける場合、大抵の労働者は、会社が指定する医療機関に行くことになるでしょう。
ただ大企業の場合は、社内の会議室などに医師や看護師を呼んで、社員たちをそこに集めて健康診断を行うこともあります。
労働者の費用負担はない
企業の健康診断の費用は会社が負担して、労働者は実質的に無料で受けることができます。
「タダでこれだけ充実した健康チェックをしてもらえるのは助かる」と思っていただいてよいと思います。
会社にとっては健康診断の費用はコストになるわけですが、しかし従業員が健康でなければ生産性が下がり、健康診断の実施は必ず経営にプラスになります。
このような、会社が従業員の健康を確保する取り組みを健康経営といいます(*2)。
企業に勤めていない人は市区町村の健康診査を受ける
個人事業主や働いていない成人などの会社などに勤務していない人は、住んでいる市区町村が実施する健康診査を受けることになります。
健康診査の内容は健康診断とほぼ同じです。
例えば新宿区の健康診査の場合
例えば新宿区は次の人に健康診査の機会を提供しています(*3)。
■新宿区が実施する健康診査の対象者
◆16歳~39歳:新宿区民で、学校や勤務先などで受診機会がない人
◆40歳~74歳:新宿区国民健康保険に加入している方か生活保護などを受給している方
◆75歳以上:東京都後期高齢者医療制度に加入している方か生活保護などを受給している方
いずれも無料で受けることができます。
受診する場所は、新宿区が指定する医療機関のなかから選ぶことになります。私たちヒロオカクリニックもこれに該当します。新宿に加えて中野区の健康診査にも対応しています。
新宿区から健康診査の案内が届くので、そのあと医療機関を予約して受けます。
検査項目は、企業が行っている一般健康診断と大体同じです。
迷ったら人間ドックを行っているクリニックがよい理由
もし「どこで健康診断を受けたらよいか」と迷っていたら、人間ドックを行っているクリニックを選ぶことをおすすめします。
その理由は3つあります。
■人間ドックを行っているクリニックで健康診断を受けるメリット
・検査が得意 検査に力を入れている
・異常がみつかったら同じところで精密検査を受けることができる
・かかりつけ医がみつかる
1つずつ確認していきます。
検査が得意
人間ドックは、健康診断の「バージョンアップ版」と考えてよいでしょう。人間ドックの検査メニューには必ず先ほど紹介した一般健康診断の検査が入っており、より詳しく調べる検査がさらに加わります。
したがって人間ドックを行っているクリニックは、その他の医療機関と比べて検査件数が多いという特徴があります。
検査件数の多さはそのまま検査実績となりますので、より安心して受けることができるでしょう。
異常がみつかったら同じところで精密検査を受けることができる
健康診断の検査はいわば基礎検査なので、ここで異常がみつかってもすぐに「この病気」と断定できるわけではありません。
健康診断で異常がみつかったら、精密検査に進むことになります。
人間ドックを行っているクリニックは精密検査も行っているところが多いので、健康診断で異常がみつかったら同じクリニックで精密検査を受けることができます。
そのクリニックには健康診断の記録が残っているので精密検査の結果と照合しやすく、医師がより詳しく健康チェックができます。
かかりつけ医がみつかる
クリニックをおすすめできるのは、健康診断をきっかけにしてそのクリニックの医師を自分のかかりつけ医にすることができるからです。
症状が出たときに最初にかかりつけ医にかかると、医師はこれまでの経緯を知っているので深刻な症状なのか経過観察でよいのか判断できます。
まだかかりつけ医を持っていない方は、健康診断を受ける医療機関を探すときは、かかりつけ医を探す気持ちで選んでみてください。
まとめ~健康を確保するために
健康を確保する方法は大きく2つあり、1つは健康的な生活を心がけることで、2つ目は医療を頼ることです。
健康診断は、医療を頼るタイプの健康確保法といえるでしょう。
企業に勤めていても、個人事業主でも、働いていない成人でも、何らかの形で無料で健康診断を受けることができます。
これは素晴らしい制度といえ、これを活用しないのはもったいない話です。
健康診断を受けましょう。