胃のポリープとは何なのか、原因は、症状は

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「胃のポリープはがんになるらしい」

「胃のポリープには取り除かなくてもよいものもあるらしい」

多くの人は、この両方を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

ポリープは恐い病気なのでしょうか、それとも気にしなくてよいものなのでしょうか。

そもそもなぜ、ポリープは「生えてくる」のでしょうか。

胃ポリープに関する疑問を解説していきます。

ポリープとは何なのか

ポリープを最も簡単に説明するとこうなります。

ポリープは、胃や大腸などの内側にできる突起物のことで、できもの

もう少し詳しく説明すると、こうなります。

・ポリープは、皮膚や粘膜などの面から突き出る、茎(くき)を持つ球状の腫瘤(しゅりゅう)

腫瘤とは瘤(こぶ)や固まりのことで、腫瘍性のものと炎症性のものがあります。

腫瘍とは、異常に増殖した細胞の集まりで、健康を害さない良性腫瘍と、がんと呼ばれる悪性腫瘍があります。

炎症とは、傷や外敵に襲われたときに腫れたり熱を持ったりする皮膚や粘膜の症状です。

この内容を整理するとこのようになります。

<ポリープとは>
・突起物、できもの
・形は茎と球状
・腫瘤:腫瘍性腫瘤と炎症性腫瘤がある
・腫瘍とは細胞が異常増殖したもの
・腫瘍性腫瘤には良性腫瘍と悪性腫瘍がある

原因

胃ポリープが発生する原因は、加齢ヘリコバクター・ピロリ菌感染遺伝と考えられています。

3種類の胃ポリープ

ここからは胃のポリープに限って解説します。

胃ポリープの医学的な定義は次のようになります。

・胃ポリープとは、胃の内部に発生する上皮性、または良性、または隆起性の病変のこと

胃ポリープにはいくつか種類がありますが、主なものは、過形成性ポリープ胃底腺ポリープ特殊なポリープの3つになります。

健康診断などでよくみつかるポリープは、過形成性ポリープと胃底腺ポリープです。

過形成性ポリープとは

過形成性ポリープは、ピロリ菌に感染すると発生することがあります。

治療によってピロリ菌を除菌できると、過形成性ポリープが小さくなったり消滅したりすることがあります。

ただ、過形成性ポリープはがん化する可能性があるので、これがみつかったら医師から、年1回のペースで胃内視鏡検査を受けることをすすめられるかもしれません。

過形成性ポリープは、大きくなると3cmになるものもあります。

胃底腺ポリープとは

胃底腺ポリープは2、3mm程度の小さなできもので、ピロリ菌に感染していない人に発見されることが多いでしょう。

胃底腺ポリープは、がん化しないわけではありませんが、その頻度は低く、医師によっては「心配なさそうです」というかもしれません。

胃底腺ポリープは、プロトンポンプ阻害薬という胃薬で数が増えたり大きくなったりすることがあります。

特殊なポリープとは

過形成性ポリープと胃底腺ポリープでないものを、特殊なポリープといいます。

特殊なポリープのうち腺腫は、高齢者によくみられ、がん化することもしないこともあります。

胃ポリープの症状

胃ポリープが発生しても大体は無症状です。そのため胃ポリープは、健康診断や人間ドックなどで発見されることが多い傾向にあります。

まれに胃ポリープが次のような症状を引き起こすことがあります。

・胃もたれ
・不快感
・食欲不振

ただこれらは、胃ポリープそのものが引き起こしているのではなく、同時に発症している慢性胃炎が原因とみられています。

貧血も胃ポリープの症状に数えられますが、これは過形成性ポリープから出血して体内の血液が減って起きます。

がんについて

胃ポリープががん化するかどうかや、がんの疑いのある胃ポリープかどうかは、胃内視鏡検査で鑑定します。

医師は、胃ポリープを実際にみることで、形や大きさや種類などからがんリスクを測ります。

そのため、胃のX線検査でポリープの存在が疑われると、多くの場合、あらために胃内視鏡検査を行うことになります。

ただ、胃がん治療を専門に行なっている医師のなかには、「通常観察では、がん化する例とがん化しない例の鑑別は容易ではない」と指摘する医師もいます(*1)。

このような事例もあります。

貧血と胃出血が認められる患者さんに胃内視鏡検査を行ったところ、5つのポリープがみつかりました。その5つをすべて切除して調べたところ、1つはがん化していましたが、残りの4つはがん化していませんでした(*1)。

がん化すると胃ポリープが大きくなることが多いことから、定期的に胃ポリープを観察することはとても重要で、そのため医師は、胃ポリープがみつかった患者さんに「年1回程度、胃内視鏡検査を受けたほうがよいでしょう」とすすめるわけです。

まとめ~過度に恐れずしっかり観察する

胃ポリープは、無症状でがん化しないこともあるので、恐くない病気ということができます。その一方で、がん化することもある恐い病気でもあります。

この両極端な性質を持っているのが、胃ポリープの特徴です。

したがって胃ポリープが見つかったら、過度に恐れず、しっかり経過を観察することが重要です。観察とは、健康診断や人間ドックを定期的に受け、医師に胃ポリープの様子をみてもらうことです。

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